献上加賀棒茶ってどんなお茶?

ピネードでは石川県の丸八製茶場の「献上加賀棒茶」を長年使用しています。

今回は、私たちピネードが大好きな「献上加賀棒茶」のお話です

初めて丸八製茶場の献上加賀棒茶を飲んだ時、今までのほうじ茶とは全く違う、豊かな香りと上品な味わいに驚いた事をよく覚えています。

献上加賀棒茶と出会って今年で12年目になりますが、今ではすっかり我が家の定番のお茶になりました。

息子も大好きで、水筒に入れて小学校へ持っていくと、

お友達に「いいにおい!」「どこでうってるん?」って聞かれるそうです(笑)

ピネードでも春夏の定番といえば、献上加賀棒茶を使った3種類の生菓子とギフトです。

冬が終わる頃になると、お客さんは勿論スタッフからも「棒茶ゼリーとプリンはまだ販売しないの?いつから?」という声がたくさん届くようになりました。

年々ファンが増えていく、とにかくすごいお茶なのです。

そんなすごいお茶を作っている丸八製茶場ってどんな会社なの?ずっと気になっていました。気になるなら行ってみよう、聞いてみよう!という事で、献上加賀棒茶の美味しさの秘密を探りに、一路石川県加賀市へと向かいました。

お話をしてくださったのは丸八製茶場6代目社長 丸谷さん(以下、丸谷)

お話を聞くのはピネード勤続15年目 松本

まず、丸八製茶場の歴史を教えて下さい。

 -待ち合わせは、なんとものどかな「動橋(いぶりはし)駅」。

ずっとお会いしたかった丸谷社長自らお迎え下さり、嬉しいやら緊張するやら、やや興奮気味なご挨拶のあと、早速取材はスタートします。

丸谷:まず、丸八の本店からご案内します。

松本:うわあ~、とっても歴史を感じます!築何年ですか?

丸谷:昭和20年中頃に、曾祖父が建てたものです。

宿場町の風情が残る町並の中でひときわ風格があります。

松本:丸八さんは今年で創業155年になるそうですけど、ずっとここでご商売をされているのですか?

丸谷:加賀市の茶業の歴史をまとめた文献に、丸谷家の製茶業についての記録が掲載されています。その記録を元に丸八製茶場の創業は文久3年と定めています。

松本:文久3年というと新撰組が結成された年ですね、歴史を感じずにはいられません。

丸谷:新撰組(笑)歴史という所で、もう1箇所ご案内したい場所があるんです。

次にご案内いただいたのは、江戸時代からある茶畑。

丸谷:ここは「加賀茶」の原点です。加賀藩による製茶奨励政策によって江戸明治期、この地域の製茶業は大変盛んでした。向こうに見える山裾まで茶畑が広がっていたそうです。ここからアメリカへも輸出していたんですよ。

松本:アメリカ⁉江戸時代にアメリカに輸出って…凄いですね。前田家の存在は加賀の茶業界にとってとても大きそうですが、いかがですか?

丸谷:とても大きいです。そもそも最初にお茶を持ち込んだのは前田家なんです。

松本:そのお話、面白そうです。

丸谷:加賀藩はとても裕福だったので、幕府に「謀反を企てるのではないか」と目を付けられる可能性があったんです。それはとても困るので、うつけの振りをして豪遊したんです。芸術や工芸などに豪快にお金を使って、謀反などには興味がないと見せつけました。京都からお茶の木を持ち込んで茶道も発達しました。

松本:へえ~!なるほど…。石川の芸術文化が豊かな理由がわかりました。お料理やお酒も本当に美味しくて綺麗です。

丸谷:ちなみにお茶のパッケージの赤い印は前田家の家紋です。

松本:あ~っ!丸八さんのロゴかと思っていました~!

石川県の食べ物やお茶が美味しくて美しいのには、ちゃんと理由がありました。

大きな転機、昭和天皇の石川県ご来訪。

丸谷:とはいえ、献上加賀棒茶を作るまでは、丸八も普通のお茶を販売していた茶業者のひとつでした。

松本:それが今では石川が誇るブランドのひとつになられている。献上加賀棒茶が生まれたストーリー(*)は

有名ですが、やはりそれは転機になったのですか?

丸谷:そうですね、大きく舵を切った感じです。

*昭和58年全国植樹祭の際に石川県を訪れた昭和天皇は、山代温泉にご宿泊されました。その際、かねてより丸八製茶場と取引があった山代温泉から、「最高のほうじ茶を納品してほしい」という依頼が舞い込みました。

当時、昭和天皇の御年は85歳。御年を召された天皇陛下は、日常でも刺激の少ないほうじ茶を特に愛飲されていました。当時の開発チームは途方にくれながらも日本全国茶葉を求めて東奔西走、鹿児島の上質な茶葉にたどりつき、製法、淹れ方など、試行錯誤を重ねられて誕生したのが献上加賀棒茶です。

松本:当時の開発の様子はとても気になるところです。依頼があった時はどのような様子でしたか?

丸谷:まず、最高のほうじ茶ってどんなほうじ茶だ、最高の品質のほうじ茶だ、じゃあ最高の品質ってなんだ?という事から話し合いました。それから全国の様々な茶葉を取り寄せて、最終的に鹿児島の一番茶の茎が良いと決めて、何度も試作をしました。

松本:開発期間はどのくらいでしたか?

丸谷:年明けに依頼があって、5月に納品でした。

松本:短い!所で、ほうじ茶に一番茶を使う事はよくあるのですか?

丸谷:普通ではないですね。二番茶などに比べて一番茶は高価でまず使いません。常識から外れていますね。当初は天皇陛下に献上するためだけに作ったほうじ茶でしたので、原価などは度外視してとにかく品質にこだわりました。

その後そのホテルで販売を始めたのを皮切りに販路を広げていくのですが、その過程で「普通のほうじ茶をつくるのはやめて、この道で行こう」と舵きりをしました。

松本:最初は天皇陛下ただお一人のためだけに作られた、オンリーワンのほうじ茶だった。

石川県の歴史も相まって、ここでしか生まれなかった奇跡のようなほうじ茶なんだと感じます。

ただただ、美味しい日本茶のために。

次にご案内いただいた二機のビニールハウスには、可愛らしい茶畑がありました。

丸谷:ここでは数年前から茶の試験栽培をしています。今丸八では茶葉の栽培はしていませんので、高品質の茶葉を栽培してくれている茶農家さんと良いコミュニケーションを取るためにもまずこちらから歩み寄って知る努力をしています。今ではスタッフ全員で世話をしていますが、最初は一人の製造スタッフの提案から始まった事なんですよ。実際に農家さんの茶畑まで伺って研修をさせてもらったりもしています。

松本:ただ農家さんに注文をつけるのではなく、丸八さんも良い茶葉のために努力をされている。言い換えると、良い茶葉は手に入りにくくなっているという事でしょうか。

丸谷:そうですね、ペットボトルのお茶の台頭など理由は様々ですが、そうなってきています。丸八は焙煎屋ですが、農家さんだけでなく加工して販売する側も一体となって努力しないと、茶葉に限らず日本茶業界が危うくなると考えて様々な活動をしています。近年ではコーヒー・紅茶に押されて、急須がない家も増えています。

松本:家に急須が無いなんて、考えられない!

丸谷:本当なんです。もう、悔しいですよ。コーヒーは何故あんなに飲まれる様になったのか最近ずっと研究しています。コーヒー業界はシーンメイキングが上手なんだと思っています。

松本:シーン…。

丸谷:そうです、シーンです。

松本:東京や富山に出店されていますが、シーンの提案も考えられての事ですか?

丸谷:そうですね、例えば東京ではテイクアウトのお茶を販売しています。

出勤途中に、コーヒーじゃなくてお茶もいいじゃない?って。シーンが少ないなら作ればいいと考えています。

松本:出勤中に加賀棒茶、それは羨ましい!

丸谷:(笑)本店のサロンでは「新婚さん向けお茶の淹れ方講座」をやったり、富山では日本酒と日本茶を楽しめるお店を作ったり。デザイナーなどに任せるだけでなく、日本茶業界自ら盛り上げていきたいです、悔しいですから(笑)

松本:世の中に美味しいものは沢山ありますけど、楽しいシーンや時間まで想像できる食べ物は少ないかもしれないですね。ピネードでも、ケーキやお菓子はラストシーンから考えて作れと教えられてきました。それが本当に「美味しい」食べ物だと。

丸谷:そうです、そうです。従来の常識にとらわれすぎず、自由な発想で挑んでいきたいですね。

松本:これからの丸八さんが更に楽しみになりました!

 

 

ピネードでは、美味しい献上加賀棒茶を使ったスイーツをご用意しております。

献上加賀棒茶を使った生菓子のご紹介

【加賀棒茶ゼリー】

カップの中には棒茶のパンナコッタ、その上に棒茶ゼリーと黒豆を乗せました。

献上加賀棒茶のすっきりとした風味を活かすため、食感にこだわった柔らかさを追求しました。

【加賀棒茶プリン】

*ピネードラシック店、横浜店ではお取り扱いしておりません。

*こちらの商品は、夏季限定販売となります。お問い合わせは最寄りの店舗までお願いします。

【加賀棒茶ゼリーのギフト】

【加賀棒茶ゼリー】

加賀棒茶ゼリーを季節のギフトとしてお使いいただけます。

ピネード夏ギフトの定番です。

専用のギフトボックスをご用意しました。4個、8個、12個からお選びいただけます。のしや包装も承っております。

*こちらの商品は、夏季限定販売となります。お問い合わせは最寄りの店舗までお願いします。

今回伺ったのは・・・

(株)丸八製茶場本社・工場 茶房実生

〒922-0331 石川県加賀市動橋町タ1番8

TEL:0761-74-1557

キリリとした空気の中で、丁寧に淹れたお茶やお菓子が頂けます。お茶のギフトも購入できますよ。

ピネードの販売している商品についてのお問い合わせは

HPお問い合わせフォーム又は店舗までお願いいたします。